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パンツと腹巻きとバンダナキャップ8(完)

2012.08.22 19:34|Novels
遅くなりましたー、すいません。
一応完結のつもりで書いてみました。
若干R描写あります。ご注意ください。
「も、もう劇の練習は終わったのか? あ・・・テメエ等どっちがロミオでどっちがジュリエット役やったんだ?」
 ゾロの早い帰宅に慌ててサンジはその場を繕う言葉を投げた。
 ギンがゾロに告白したのかどうかと言うことで悶絶しきっていたサンジには、気の利いた台詞の1つも出て来ない。
 せいぜい劇の練習がどうだったのかと尋ねるだけで精いっぱいだ。
 しかし、ゾロは怪訝そうに眉を潜めた。どことなく不機嫌そうにも見える。
 この様子じゃゾロがジュリエット役をやらされてしまったのかもしれない。
 ゾロがジュリエットなんてどんなに恐ろしく悍ましい劇だと一瞬でも想像してしまったことにサンジは肩を落とした。
 だからと言って隣のギンと言う男がジュリエット役をやったのではと考えるのも、ゾロ以上に危険な図になるのは間違いない。
 それでも、まだギンがゾロに告白したのかどうかと言うところに完全に焦点が合うよりはマシだろうと、サンジは思った。
「水の無駄だってテメエがいつも口煩く言ってるくせに、何やってんだ」
 急にゾロが近づいてきたかと思えば、水道の蛇口を締めた。
 皿洗いの途中だったことをすっかり忘れていた。
 慌ててサンジは皿洗いを再開させる。
 ・・・と言っても皿はとっくに綺麗に洗った後で、後は泡を洗い流すだけだったので同じ皿を何度も洗う羽目になってしまった。
 何やってるんだろうな、俺は・・・と、たかがこれしきのことで動揺している自分が嫌になる。
「告白・・・されたのか?」
 なので、いつまでも考え込んでいないで、ここはもう潔くゾロに聞いてみることにした。
「ああ、された」
 ゾロが頷く。
 ズキンと胸の辺りが痛んだ。
「・・・そっか・・・で、何て返事したんだ?」
 ここまで首を突っ込んでいいことなのか分からなかったが、ゾロのアパートに転がり込んでいる以上、そのゾロに万が一にも恋人なるものが出来たのなら、やはり自分はそろそろ居候を遠慮しなくてはならない。
「そりゃ、俺のだって」
 俺の・・・。
 つまりギンは俺のものだと言いたいのだろうか。
 何だか眩暈がするようだった。
 どう考えても悍ましい想像にしかならない。
 しかし、当のゾロ本人が肯定したと言うことは、つまりはそう言うわけで。
 何だよ、結局は両想いだったんじゃねえか・・・。
 しかも、堅物なゾロがしっかりと俺のとまで言ってのける程にラブラブと来たものだから、悍ましい想像を通り越して何だかサンジは泣きたい気分になってきた。
 自分がファンタジーの世界に住んでいたら絶対今の一瞬にディアブロ召喚なんてことをやってのけただろう。
「ハハッ、じゃあうまく行ったんだな。良かったじゃねえか」
 ズキンと今度はさっきよりもっと強く胸が痛んだ。
 心からゾロのことを祝福しているつもりなのに、これじゃあまるで自分がこの展開にショックを受けているみたいだ。
 まあ、見た目いかつい男と男が平然とくっついたんだ。ショックと言えば普通にショックなのだが、今感じているこの痛みは友人が男とくっついた現実を現しているものとは少し違うような気がした。
 直ぐ真後ろにゾロの気配があった。
 もう水道の水は流しっぱなしになどしていないのだから、さっさと風呂に入るなり、寝るなりすればいいのに、何故かゾロはサンジの傍を離れない。
「で、テメエはどう思ってやがる?」
 何が悲しくてこいつの口から引導を渡されるような問いを投げかけられなければならないのか。
 どう思って・・・って、俺がどう思っていようが俺にはやっぱり何も関係ない話で、俺が何を言う権利もないような気がサンジはした。
「いいんじゃねえか・・・ゾロがそれでいいなら」
 半ば投げやりにそう口にして再び皿洗いに集中する。
 もう何度同じ皿を洗ったのか分からなくなっていた。
「そうか、なら両想いだな」
 ゾロがあっさりと頷いたが、サンジは振り向きもしなかった。
 カチャカチャとわざと食器の音をいつもより意識して鳴らす。
 それにしても、あのギンって男とゾロが両想いと言う現実が成り立つなんて、世の中、蓼食う虫も好き好きと言うか・・・。
 何だか夢にまで魘されそうなカップルが誕生してしまったわけである。
「おい、こっち向け」
 偉そうなゾロの声に怪訝そうに眉を潜めながらもサンジは今度こそちゃんと蛇口の水をきちんと締めて振り向いた。
 瞬間、いつもの調子でゾロがサンジにキスをしてくる。
 ただの挨拶とは言え、一応恋人が出来た身でこう言うのはマズイのではないだろうか?
 サンジは慌ててゾロの胸を押し返した。
「やめろ!」
「何でだ?」
「何でって、だってテメエは・・・」
 ギンとうまく行って付き合い始めたんだろう。あいつと両想いなんだろうと突き付けようとして、肝心なところは言葉にならなかった。
 胸の痛みは更に加速して強くなってくる。
 心なしか息苦しく、泣きたいような気分がまた急激に募った。
 ああ、自分はこう言う状況を何と言うのか知っている。
 俺、思いの外、この展開にやっぱりショックを受けてるんだ。
 ゾロに恋人が出来たら、俺はこの部屋を出て行かなきゃなんねーんだろうなーとか、1人暮らしに戻ったら俺も女の子連れ込み放題かとか、そう言う考えよりも先に、ゾロに恋人が出来た事実だけが重く伸し掛かる。
「別にマズくねえだろうが。ただご褒美や挨拶のキスが普通の恋人のキスに変わっただけだろう」
 つまりこれって俺の心情的にどう言うことなのだろうか。
 ゾロとギンはロミオとジュリエットごっこをやってて、どっちがロミオでどっちがジュリエットかと言うことは置いておいても、じゃあこの俺の立ち位置って一体何なんだ。
 ジュリエットの乳母あたりか?
 じゃあ、ジュリエットはゾロで・・・・・・まあ、乳母だったら当然自分の娘のように可愛がった子が、どこの馬の骨とも知れない奴とあっさりくっ付きやがったら寂しくなるよな。
 うんうん、俺は今そんな心情なんだ。
 ああ、ゾロ・・・どうしてお前はジュリエットなんだ・・・どう考えたってジュリエットって柄じゃねえだろう。
 お前全国のジュリエットちゃんに土下座して詫びろよな。
 で、結局ロミオとジュリエットってどうなったんだっけ? 確か悲恋劇だよな、これは。
 それでもってジュリエットに恋い焦がれた乳母はどうしたんだろうか。ジュリエットを失って・・・泣き暮れたのか。
 それとも走れメロス的に走ったのか。
 いや、俺なら取りあえずゾロ蹴り飛ばすよな。うん。
 大人しく泣き寝入りしたり、夕日に向かって走ったりするのは御免だもんな。
 うんうん。
「おい、聞いてんのか!!」
 ゾロの声にハッとしてサンジはどこか可笑しなところに旅立ちかけていた思考を漸く現実世界に戻した。
 ・・・って、あれ? 今ゾロは何か可笑しなことを言わなかっただろうか?
 恋人のキス?
 お前等もうそこまで進んだのか?
 ん? でもこいつご褒美や挨拶のキスが普通の恋人のキスに変わったって・・・・・・。
「誰と誰が?」
 思い切り首を傾げながらサンジはゾロに問いただした。
「俺とテメエに決まってんだろうが!! 他に誰がいんだ!!!」
 イライラと声を荒げてゾロが言った。
「は?」
 何だか話が可笑しい気がする。
「だって、お前、隣のギンって野郎とうまくいったんじゃねえのか?」
 きょとんとしたサンジに、ゾロは思い切り顰蹙する。一瞬空気が凍りついたような冷たさを持った気までした。
 もしかして、ゾロの奴怒ってんのか? とサンジが恐る恐るその顔を覗き込めば、まだ妙な顔をしたまま、ゾロは溜息を1つ吐いた。
 コツン・・・と、ゾロの拳が軽くサンジの額に当たる。
「もしかして俺とあいつが・・・とか変なこと考えてんじゃねえだろうな」
「え、違うのか?」
 脱力したようにゾロがガクリと肩を落とした。
 1つ、また息を吐く。
 溜息のようで、溜息に成り切れない、何だか戸惑ったようなものだ。
「あいつはテメエのことが好きなんだよ。なのに、俺がのこのこ訪ねて行ったもんだから・・・」
「は? 誰が?」
「だから、隣のギンって男だ!」
 ゾロは苛立ちを表すよう、短く爽やかに刈った芝生のような緑頭を掻く。
「俺のことが好き? 何でだ?」
「知るかっっ!!!!!!」
 あまりにも能天気すぎる男を前に、ゾロはこのまま床に手をついて落ち込みを表現したくなった。
「え、でもそれで今のお前の話を纏めるとだ、その・・・つまり、何で俺とお前が恋人ってことになるんだ?」
「あいつが俺に聞いてきたんだよ。俺はテメエの何なんだってな!」
「それで?」
 サンジが小首を傾げる。
 男のくせに妙に可愛らしい素振りを見せるものだから、思わず赤面しそうになりゾロは慌ててサンジから顔を逸らす。
 それにしても、隣人が自分のことを好きだったと知っても、サンジの反応はあっさりとしたものである。
 もっと取り乱すもんだとばかり思ってたんだけどなぁ・・・と、意外なものを感じながら、ゾロはいよいよ腹を括った。
「・・・まあ、つい言っちまったわけだな」
「恋人だってか?」
「ああ」
 ゾロが頷けば、サンジから非難の視線が飛んでくる。
「ほーお・・・」
 頷いたサンジの口から漏れた声にゾクリと寒気を感じ、ゾロは慌てて言葉を付け足した。
「単なる同居人で引き下がるような相手じゃなかったんだよ。それにあの野郎、テメエのことを総菜屋の女神だの天使だのパンツがどーだの、腹巻きのマヨネーズがどーだの、自分はアサリになりたいだの、訳分からねえことばかり言いやがるし・・・」
「どんな話の展開になったら、そんな意味不明な登場人物ばかり並ぶんだよ」
 冷静なサンジの突っ込みに、ゾロは首を傾げた。
 はて? 言われてみれば確かにギンが興奮気味に並べ立てたことは、正直ゾロにもよく分からないことが多かったのだ。
 今自分が並べ立てた単語を考えてみれば、妄想と現実の区別がついてないんじゃねえか、あのギンって野郎はと今になって思う程だ。
「まあ、とにかくだ・・・。あんまりにもテメエのこと好きだ好きだ煩せえから、何だか腹が立った・・・」
「何でテメエが腹立てるんだよ? ここは俺が怒るところじゃねえの? 俺のこと勝手にマヨネーズのかかったアサリ扱いなんだぜ?」
 いや、それはちょっと違うんじゃねえかとゾロは思ったが敢えて無視することにした。
 このままでは一向に話しが進まないだけじゃなく、俺は一世一代の告白ってものをこいつにしたつもりなのだが、ムードの欠片も作り出せていない。
 ゾロとて、一々こう言うことにムードを求めるタイプじゃないにしろ、流石に状況が悪すぎる。
 そもそも、アサリにマヨネーズをかけたら美味いのか?
 まだ天使にマヨネーズだの、女神のパンツだの言ってくれた方がマシだと考えてしまった。
 つまりそれぐらいに、あまりにもサンジが鈍く抜けているのだ。
 あの男が俺のことを好きなんじゃないかと勘違いする時点でもどうかと思うのだが、流石にこれには程がある。
 キス云々のことを持ちかけた時も考えてみればそうだったのだ。
 幾らなんでもこいつ、世間からズレすぎだろうが。
 そんなズレた足りない頭でフラフラしてやがるから、あんな奴に目をつけられやがるんだ。
 また腹が立って来て、今度こそゾロは強引にサンジの腕を掴んで自分に引き寄せると、近づいた顔を固定してその唇に噛みついた。
 唇を舐めて、いつもの飯事のようなキスは卒業だと言わんばかりに、舌まで突っ込んでやる。
 驚いて引っ込んだサンジの舌を執拗に追いかけて捉えれば、微かな抵抗なのかグイグイとゾロの胸を押してくる手がある。
 往生際の悪い奴だと角度を変えてまた唇を重ね、再度絡まる際に露骨にクチュリとそれらしい音を舌で鳴らしてやった。
 サンジの抵抗は直ぐに止んだ。
「こう言うことしてえってわけだ。挨拶とか褒美とかじゃねえ。流石のテメエだって、これだけ言えば分かるだろうが」
 真っ赤な顔をしたまま固まっているサンジがパクパクと魚のように口を開けたり閉めたりする。
 言葉が出て来ないらしかった。
 本当に分かってんのかと心配になり、ゾロはここまでやったのだからと堂々自分の本心を口にしてみることにする。
 何かきっかけがなければこんな展開には恐らくならなかっただろう。
 俺達はずっと同居人の関係のまま、平穏に時を過ごしたかもしれない。だけど、それだけじゃ物足りなくなってしまったのだから仕方ない。
 例え俺達の関係がここで破綻しようと、ゾロには生ぬるい湯につかったまま微睡んでいる状況は気に食わない。
「あいつにテメエ取られるぐらいなら、俺の恋人だってことにした方がいいと思った。だから、俺の傍にいろ」
 サンジはまだ真っ赤な顔をしたままだ。
 僅かに視線を逸らしかけて、それでもおずおずとサンジはゾロの目を真正面から見た。
「それって・・・告白か?」
「ああ、そうだ。嫌ならはっきりと言え。別にそれでも俺は今の同居人の関係を壊す気はねえから、安心しろ」
 こう言う風にいつだってぶれずに自分を持っているゾロをサンジは羨ましく思う。
 サンジは思い切り息を吸いこんで、それをゆっくりと吐き出した。
 深呼吸は気持ちを一旦落ち着ける面では、意外と効果のあるものだ。
「嫌・・・じゃねえよ・・・・・・」
 それでも、ゾロのように堂々口にすることは何だか憚られて、ポツリと小さく、それでも確かに今の自分の気持ちを吐き出してみた。
 またゾロが妙な顔をする。
 俺は何か可笑しなことを言っただろうか・・・。まあ、今の一連の会話全て何か可笑しかった気がするので今更のことかもしれない。
「あー、でも良かった。俺、テメエとあいつがくっついたらここ出て行かなくちゃいけねえのかと思ってよ。結構ハラハラしてたんだよな」
 事が纏まって片付いたら、何だかもうどうでも良くなった。
 へにゃんと安心したように眉を下げたサンジを見て、ゾロは思わず自分の顔を隠したくなる。
 妙に顔に熱が集まっていたからだ。
 今も真っ赤な顔をしているサンジと同じような顔を、もしかしたら自分もしているのかもしれなかった。
 らしくねえな・・・大概、俺達2人して・・・。
「じゃあ、告白はOKだな?」
「うっ・・・真顔でそう言うこと言うなよな」
 ふいっとゾロから視線を逸らしてサンジが洗った食器を拭き始めた。
 別に今そんなことをしなくてもいいだろうとゾロは思ったが、サンジなりに落ち着かないのかもしれない。
「あー、でも、あいつどうしよう・・・・・・」
 結局は俺達の仲を取り持つ羽目になってしまったギンのことを漸く思い出したらしいサンジに、ゾロは少しムッとしたが、そう言えばと思い出したことがあり、したり顔で食器を拭うサンジの手を取る。
「ああ、気にすんな。あいつ、俺とテメエが恋人だっつっても信じやがらねえから、証拠見せるってことで話つけてきた」
「証拠?」
 グイグイとサンジの腕を引っ張って、ゾロは壁にその体を押し付ける。
「この壁の向こうがあいつの部屋だ」
 言って、ゾロはサンジの額にチュッと子供のようなキスをした。
 その後直ぐに子供の飯事は終わりだと宣言するよう唇を顔に這わせて、最終的に唇に辿り着く。
 思い切りサンジの唇を割り開いて自分の舌を押し込み、粘着質なキスを繰り返した。
「うっ・・・・・・」
 流石に苦しくなったのかサンジが声を少し漏らしたところで、更に煽るようゾロは舌の動きを激しくさせる。
「そうだ、もっと声だせ。あいつに聞かせてやる」
 そこで漸くゾロの意図に気付いたらしいサンジが顔を蒼褪めさせて抵抗してきた。
「ア、アホかっっ!!! テメエ何考えてやがる。そう言うのは誰かに聞かせるもんじゃねえだろうが!!」
「でも、それぐらいしねえとあいつは諦めねえぞ。中途半端な優しさが一番人を傷つける」
「だ、だだだだだだだからって何で脱ぐんだよ!!!」
 どうやらゾロは思い切りやる気満々らしい。
 しかも、隣の部屋と隣接した壁の前。薄い壁なのでちょっとした声でも、夜は結構筒抜けになる。
 ギンの恋心を諦めさせるためとは言え、誰が人に声を聞かせるためにそう言う行為を行わなければいけないのか。
 ゾロとはずっと同居生活をしているし、付き合いもそこそこ長いとは言え、恋人と称していいのかどうか不明な関係になってから、まだ5分と経っていない。
 それで即行為って、どこの獣だ、野獣だ・・・どこの腹巻きだ。
 ああ、俺、アサリの貝に閉じこもりてえよ。
「嫌か?」
 しかし、少し表情を落としてサンジの顔を覗き込んでくる、いつも自信に満ちているゾロの、いつになく不安気な顔を見ると流石のサンジも、少し悪い気持ちが湧いてきた。
「嫌とかそう言うんじゃなくてよ・・・そう言うのまだ考えられねえってだけだ。付き合って直ぐってのは・・・ちょっと・・・な・・・」
 答えながら自分はどこの乙女だ! と突っ込みたくなってげんなりきた。
「じゃあ、弄ってやるから声だけでもあげろ」
「出来るかあああああああああああああああああああ!!!!」
「仕方ねえな・・・。じゃあ何もしねえから色っぽい喘ぎ声出せ」
「もっと出来るかああああああああああああああああああああああああああ!!」
 最早突っ込みどころが分からない。
 そもそも、演技で喘ぎ声なんか出せるかっつーの。本当にやっても俺は感じて声なんか出さねえぞ!!
 断固として出さねえ!!!
「じゃあ、触っていいか?」
「だから、何でそうなる! そんなに言うんだったらテメエが喘ぎ声だせばいいだろうが!!」

 沈黙が落ちた。
 





 ギンは隣の部屋に隣接した壁の前で全裸待機していた。
 トンッと1回壁を叩く音が合図だ。
 あの緑男がサンジさんと付き合っている証拠を見せてやると言っていた。
 壁に耳をつけるまでもなく音が聞こえてくる。
 ・・・と言ってもドッタンバッタンと何だか揉みあうような音だ。
 しかも、さっきはサンジさんの絶叫のような声が聞こえていた。
 流石にまだまだ若い2人なだけある。
 そう言う行為も溌剌としているのだろう。
 そのうち何かを言い合う声が聞こえ始めてきた。
 仲がいいのだろう。サンジさんと喧嘩が出来るだけでもギンには羨ましく思えてならない。
 少し切なくなりながらも、ギンは隣の部屋で今まさに行われているだろう光景を頭の中で思い描いた。

「ふっ・・・うっ・・・・・・」
 サンジさんの喘ぐ声が聞こえる。
 トンッ、トンッ・・・。
 何度か壁を叩くような音が連続して続くのは、もしかしたらサンジさんがあの男に組み敷かれて足を壁に向けて開いているからかもしれない。
 開いた足が伸し掛かった男の振動に煽られて快楽を刻んだまま、トントンと壁を蹴っているのだろう。
 動きが激しくなるごとに壁を叩くような音は頻度を増し、徐々に大きくなってくる。
 サンジさんは固く目を閉じてその眦に涙を浮かべ、声を漏らすのを躊躇って唇を噛み、その手は相手の男の背にしがみ付くようしっかりと回されているのかもしれない。
 仰け反った白い喉に噛みついて、振り乱された金色の髪を指に絡め。
 少し大きく声があがって、直ぐにくぐもったような音に変わるのは、声の大きさをあの男が調整するためにサンジさんの口を無理に塞いだのかもしれない。
 呼吸が苦しくなってサンジさんは相手の指に噛みつく。
 だが、次第に快感は強くなってくる。
 上の口から声が出せなくとも、下に口は塞ぎようもなく卑猥な音を鳴らし続けている。
 サンジさんはだらしなく投げ出した足で、せめてもの抵抗とばかりにまた壁を蹴りつけるのだ。


 ああ、サンジさんには振られてしまったけど、こんなお楽しみがあるのも悪くない。
 自分の好きな人が直ぐ隣で他の男と行為に耽っているなど、身を切られるような痛みと共に途方もない快感すら齎してくれる。
 俺って案外マゾっ気があるのかもしれない。

 ギンは自分を射殺さんばかりの形相で睨みつけてきたマリモ男の、どこか焦ったような真摯な顔を思い出した。
 あの男は真剣にサンジさんのことが好きなのだと直ぐに分かった。
 自分もサンジさんのことを好きだったから、サンジさんに向かうあの男の愛情に敏感に反応してしまったのだろう。
 本気でサンジさんのことを思ってくれるのなら、自分に何かを言う資格はない。
 そして、そんな男と一緒に暮らしているからには、サンジさんも恐らくは・・・・・・。

 サンジさん、俺、サンジさんが幸せならそれでいいんです。

 壁の向こうで一際大きな声があがった。
 絶頂でも迎えたのかもしれない。
 サンジさん、もう少し声押さえないと丸聞こえです。
 このままでは全裸待機の影響で俺の下半身がアクアラグナになって困ります。
 
 サンジさんは今、あいつの傍でどんな顔を見せているのだろうか。
 その顔を自分が見れないのは残念だったが、きっとそれはとても温かく満ち足りた優しい顔なのだろうと思う。
 ギンは自分のトレードマークであるバンダナキャップを外して台の上に置いた。
 そして、隈の出来た不健康な目を少し下げると、ゾロから貰ったパンツを大切そうに、その手に握り締めた。







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 そもそもの発端は確かみあさんが、「朝にいちゃいちゃしているゾサの声に隣室で悶えるギンの話」がどうのこうの言ってたことから始まったんだったと思うんですが、何だったかな・・・何でそんな話になったんだったかな・・・ねえ、みあさん?(笑顔)
 朝にいちゃいちゃって言ってたので朝ちゅnさせた方がいいのかなーと思いましたが、朝まで引っ張れなかったと言う。取り敢えず、隣室で悶えるギンまではクリアかなーとか。
 結局ギンが可哀そうなだけの話になってしまいましたが、みあさんがパンツ1枚ぐらい貰えるかもよ・・・とか言うから、ギンにパンツ1枚プレゼントしてみました(笑)
 ただし、ゾロの手から渡ったパンツがサンジのものであるのかどうか・・・そこは皆さんのご想像にお任せしたいところ(黒微笑)
 ああ、ギンに(不明)パンツ一枚恵んであげる私って何て優しいんだろう。
 そろそろ、石投げられそうな気がしてきたので、私にもサンジのパンツください(完結)

 あと、補足までに、ゾサの2人が壁の向こうで何やってたかは皆さんのご想像にやはりお任せってことで。
 ギンのような妄想を繰り広げた方、そこに正座!!(ビシッ)
 私はですねー、ギンの妄想よりも、もっとすごいことをあの二人はやってたと思・・・(強制終了)

 では、みあさん。私の可笑しなペースに合わせて素敵なお話をありがとうございました^^
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